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私の親友のお話です。彼女はしっかり者で、親兄弟のことを一番に考えてるすごい人。仕事もテキパキとこなし、取引先からの評価も高い。私はそんな彼女の友人である事を、誇りに思っている。とても素敵な女性なのに、未だ独身。理想が高いというよりも、誰も彼女に及ばないといったところ。
そんな彼女が言った。「この先結婚はしないかも。将来、親が亡くなり、兄弟にもそれぞれ家庭が出来る頃、私もかなりの年寄りになってるよね〜。誰にも迷惑をかけないように、自分の葬式代は用意できたよ。」彼女はまだ30代。本当にしっかり者。しばらくすると、良いアイディアを思いついたと電話を貰った。「一番嫌なのは、皆に迷惑をかけること。いくら兄弟でも、手間をかけさせたくないしね。ひっそりと死ねたらどんなにいいか・・・。でも、それは難しいから献体する事にしたよ。良いアイディアでしょ!」そう、献体とは、死後自分の遺体を解剖学の研究や実習に役立ててもらう為、提供する事。
葬式代を貯め、葬式を出してもらっても、その後の法事に時間を割く事が「迷惑になる」と考えているようだ。身内(兄弟)が生きている間はまだいいが、次の世代になった時、顔も知らないかもしれない伯母の法事なんて大変だろうと考えての事。
ここ最近、世間では家族葬が多いと聞く。地域によってもずいぶん違いがあると思うが、それさえもやりたくないらしい。まだまだ先の話しだし、私と彼女、どちらが先に逝くかは知る由もないが、私としては、大好きな親友が葬式をしないなんて悲しすぎる。しかし、彼女の言うこともよく分かる。
葬式って、故人はもちろん遺族や友人達の為でもあるような気がする。共に過ごした時間を振り返り、感謝する。そんな時間だからこそ、大事だと思うけど、遺族にとってはそれだけで終わるはずは無い。法事をし、何年も何代もかけて弔っていく。大変だけど、それも大事な事だと思う。
まだまだ先の事だけど、彼女は一体どんな答えを出すんだろう。
ちなみに献体について調べてみた。献体をしても、数年後には遺族の元に遺骨となって戻ってくるらしい。だから結局は、何かしらの方法で誰かが供養しなければいけなくなる。
死後、誰の世話にもならないなんて、難しいのかもしれない。
>A.Tさん より |
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